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12月28日 更新をサボっている間に、年内の営業が終了してしまいました。
       このページで年末年始営業についてのお知らせが遅くなり、申し訳ありません。
       本日まで営業、と言っても、15時過ぎにすべて売切れで年内の営業は終了しました。
       年始は5日から営業致します。

       今月は仕事も忙しく、おまけに取材もかなり入って、更新ができませんでした。
       来年はもう少し、更新のペースを上げます。

       取材は、サライさんの取材と、テレビの取材を受けました。
       サライは2月頭の号、テレビは1月30日(日)18時よりテレビ東京系全国ネットです。
       お時間の取れる方はご覧になり、感想をメールしていただければ幸いです。

       今年もたくさんの麺を打ちました。
       あとは、近い友人や家族用の年越蕎麦を打って、今年も仕舞いです。
       来年、もう少し、こういう麺を打ちたい、という欲があります。
       自分だけが知っている、反省事項を忘れずに、
       来年はもっといい麺が打てますように…
       そして、このページにお付き合いくださる方のご多幸を祈念申し上げます。


11月19日 昨日、食品とイメージの話を書きましたら、関連の最新ニュースが入ってます。
       すごいタイミングなので、引用します。
       ↓お読みください。

香川県農業協同組合(JA香川県、高松市)による讃岐うどん原材料の不正表示問題で、県警生活環境課は19日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、同市内のJA香川県営農経済部門や製造を委託された県内製粉業者など数カ所を家宅捜索した。
 調べによると、JA香川県は2002年11月から、地元産小麦「さぬきの夢2000」の100%使用を表示して「手延半生讃岐うどん大地」(1袋230円)を販売。しかし、実際には原材料の約8割に豪州産小麦が使われていた。                           (時事通信) - 11月19日10時0分更新


       結局こういうことが起こり得る訳です。
       さぬきうどんの名前が一人歩きし、さぬきの夢2000も、イメージが先行している結果、
       それさえ表示されていれば売れてしまう。
       さぬきの夢2000は、以前青年会で検証したことがありますが、
       打ち置きのきかない、扱いの難しい粉です。
       100%では、とてもおみやげ用に使える粉ではありません。
       詳しくは青年会ページから、活動報告の讃岐風小麦粉のテストページをご覧下さい。

       現在、日本中のうどん店で豪州産小麦が使用されています。
       ASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)という品種です。
       はっきり言って、下手な国産粉より、数段いい小麦粉です。

       なぜ、自信を持てないのか。
       ASWを使うことに、私は誇りを持っています。
       安定性、作業性、味、色味、香り、どれをとっても国産粉を凌駕する、
       それを掌で、五感で感じているから、
       やましい気持ち無く広言しますし、自信を持っています。
       件の業者は、中身で勝負しようとは思わなかったのか。

       自信を持てないものが、イメージに頼るのかも知れません。
       私は、中身で勝負する、その思いを新たにしました。

11月18日 更新が空きました。楽しみにして下さる方、申し訳ございません。

       ●

       本日は、食品とイメージについて書きたいと思います。

       以前、北海道に旅行したときのことです。
       札幌から小樽を回る予定でしたので、
       寿司は、ぜひ、小樽で食べようと思っていました。
       せっかくなので、北海道出身の知り合いの方に、美味しい寿司屋さんを尋ねると、
       「寿司は札幌で食べろ」と言われました。
       私のイメージでは、小樽は港町で、新鮮な海の幸を堪能できると思っています。
       寿司屋通りなんてのもあるくらい、寿司なら小樽、そういう決めつけがあったのです。
       結局、その方は、札幌のほうが旨いんだから、とおっしゃって、
       札幌の寿司屋さんを紹介していただきました。
       実際、その寿司屋さんは、私が今まで食べた中で、最高の寿司を食べさせてくれました。
       素材もさることながら、大将の仕事が細やかで、活きていて…
       まあ、その絶品寿司の話は、また書くとして、
       「寿司は小樽じゃないの?」という腑に落ちなかった部分を直接聞いてみました。
       すると、大将からはこんな意外な答えが返ってきました。
       小樽港は産業港で、漁港ではないそうです。
       当然、魚貝の水揚げはありません。
       小樽の寿司屋さんは、札幌の市場に魚を仕入れに来るそうです。
       それを聞いて、私は本当にびっくりしました。
       そして、イメージの恐ろしさを感じました。

       考えてみれば、信州蕎麦というイメージにあぐらをかく店も多いですから、
       ごく当たり前の話かも知れません。
       手打というイメージ。
       手作りというイメージ。
       名物と言うイメージ。
       こだわりというイメージ。
       テレビでは、これ見よがしに、出来の悪いスープを捨てる主人がいます。
       実際そう言う人なのかも知れませんが、カメラの前でやるあたり、あざとさを感じます。
       でも、こだわりの人だと言うイメージ作りの助けにはなるでしょう。
       イメージを上手に作って、そこに乗っかった者の勝ちなのでしょうか?

       私はしっくりきません。
       中身勝負でやりたいのです。
       ○○地鶏、伏流水、手打、などなど、産地や製法を表示したり、
       うんと気取って敷居を高くしたりしたくないのです。
       私自身が表示(イメージ)に惑わされないよう、
       自分の感覚で素材を吟味し、あくまで自分が気に入るものを作って、お出しする、
       それだけ。
       お客様も中身を味わっていただきたい。
       ものでは負けない自信がありますから。

       ●

       今年も牡蠣は、大ぶりで味のよいものが入荷しております。
       あのサイズの牡蠣を4個入れて、1,000円です。
       正直、みそ煮込650円でも、牡蠣入り1,000円でも、儲けは変わりません。
       牡蠣自体では儲けを見越しておりません。ぎりぎりです。
       でも、まだの方、ぜひお試しください。
       だしに深みが出ますよ!

10月20日 土曜日に書いてから1週間も経たないうちに、
       台風直撃がやってまいりました。
       17時現在まで、店を開けておりますが、
       先ほど、バケツが入り口に飛んできましたので、
       シャッターを閉めようと思います。
       悪しからず、ご了承下さい。
       遠方よりお越しの方は、中を覗いていただければ、
       みそ煮込ならご用意できます。

10月15日 朝晩めっきり涼しく(肌寒く)なってきました。
       そろそろ角丸の季節到来です。

       先週は台風が近づく中、多くのお客様にお運びいただき、
       まことにありがとうございます。
       台風を理由に閉める店も多かったようですが、
       角丸は台風の時も、なるべく営業します。
       角丸のお客様は、ふらりと立ち寄ってくださる方よりも、
       角丸のみそ煮込!と目的を定めてお越しになる方が
       多いように思います。特に今日のような土曜日はそうです。
       中には、本を片手に、遠方よりお越し下さる方もいらっしゃいます。
       台風で、道の悪い中、靴を濡らしてお越しいただいたのに、
       台風により休業では、申し訳が立ちません。
       自転車や植木鉢を店内に片付けた見苦しい状態かも知れませんが、
       濡れた暖簾を仕舞っているかも知れませんが、
       営業時間内はみそ煮込をお出しできるように心がけております。

       基本的には、一家・親戚の急病や弔事がない限り、
       休業することがないよう心がけております。
       台風接近で危険な場合、止むを得ずシャッターを下ろすこともありますが、
       たいてい、中にいますので、お声を掛けてください。
       ただし、できればお客様も、営業時間内にお越し下さい。
       閉めてしまってから、「遠くから来たのに!」と
       恨めしそうな顔をし、憤慨される方もいらっしゃいますが、
       私どもも予定がありますので、営業時間外は勘弁願いたいと思います。

       ●

       みそ煮込牡蠣入り、お待たせしております。
       度重なる台風で、入荷が遅れておりましたが、ようやく目処がつきました。
       10月25日(月)初入荷がありそうです。
       今年も牡蠣入りをご愛顧下さい。

9月28日 前回の蕎麦の話ついでに、もう一つ蕎麦の話…

      昨日ワタライ製粉さんと色々話す機会がありました。
      福井での全国麺業青年会全国大会で、同席した北海道の蕎麦屋さんから、
      台風の影響で、今年は道産の蕎麦がほとんど獲れないと聞いていましたが、
      やはり状況は深刻なようです。
      以前にも書きましたが、国産蕎麦は、日本で消費される需要の2割分しか
      収穫できません。そのうち、半分を占める北海道の蕎麦粉。
      それが今年は例年の2割以下に落ち込むそうです。
      単純に考えて、今年は全需要の1割強しか、国産で賄うことはできません。

      そうなると、国産粉の相場が急騰します。
      角丸のような、生蕎麦で165グラム入って600円、
      粗挽きの石臼挽きで、ニ八の手打。
      我ながら値打ちに提供している自信がありますが、
      この値を守る以上、国産を使うことは困難です。
      (輸入粉の相場も上がるでしょうか?)

      ただ、産地がすべてではありません。
      国産粉でも、田んぼで作ったような蕎麦はひどいものですし、
      輸入粉も、相当質のいいものがあります。
      すべてに言える事ですが、
      ○○だから××、と単純には言えません。
      同じように丹精こめるなら、手打のほうが機械打ちより勝るでしょうし、
      扱いや製粉が同じなら、輸入より国産が勝るでしょうが、
      様々なファクターすべてがそろって、初めていいものになります。
      一概に、先入観で決めることはできません。
      ワタライさんと相談しながら、そして自分の感覚で粉を吟味しながら、
      いい蕎麦をお出しできるよう、葛藤の日々がまた続きそうです。
      本来なら、新蕎麦で、何も考えず、気持ちのよいお蕎麦を出せる時期なのに…

      ワタライさんは北米産の蕎麦粉も買いつけるそうです。
      ワールドワイドに展開するのは悪いことではありませんが、
      私はただ、良質の粉を手に入れたいと、それだけを考えています。

      そうそう、ワタライさんのHPが綺麗にリニューアルされました。
      興味のある方は覗いてみてください。
      蕎麦の打ち方ものってますよ!
      (私も講師役の候補だったそうですが、遠方なので見送られたそうです、残念!)

9月21日 日曜日、蕎麦の刈り入れに行きました。
      我々麺類店は、通常蕎麦粉を仕入れて製麺するので、
      粉→蕎麦切りの流れはよく理解しています。
      で、去年麺類組合で蕎麦粉工場の見学に行き(青年会ページ参照)、
      蕎麦の実→蕎麦粉の流れも一通り把握することができました。
      残るは、蕎麦が実を実らせるまで、ここまで把握すると、
      蕎麦のサイクルをすべて眼で確かめたことになります。
      そこで、青年会行事の一環で、
      長野県奈川村に蕎麦畑を一区画契約し、栽培していた蕎麦が実をつけたのです。
      手に持っているのが蕎麦の実です。
      この蕎麦の栽培については、近いうちに青年会ページに書きたいと思います。

      ●

      蕎麦の話から、蕎麦屋2軒の話を書きます。

      一つは、福井でお邪魔した、「おおくぼ」さん。
      もう一軒は…木曽福島の超有名店「Kや(名前は伏せます)」さん。

      全国麺業青年会全国大会で福井を訪れた際、
      瀬戸の中篠屋の中條君、西の一八の河村君と3人で「おおくぼ」さんを訪ねました。
      メニューはせいろのみで、せいろ(なみ)、いなか、しらゆき(さらしな)の3種類。
      ご主人は非常に多弁な方で、
      福井は蕎麦どころと言われているが、実際はまがい物の多い、うどん文化圏であること、
      蕎麦は本来ほのかな味のやさしい食べ物だということなどを、語ってくださいました。
      名古屋という、うどん文化圏で手打ニ八蕎麦を出す私も、
      非常に同感に感じる部分が多く、楽しめました。
      私はさらしなが気に入りました。
      以前このページでご紹介したことがありますが、
      私の蕎麦打ちのバイブル『片倉康雄 手打そばの技術』の著者、
      片倉康雄さんの、息子さんに弟子入りされたそうです。
      ご主人曰く、ネットの投票で全国一位に推されたそうですが、
      そこまでかどうかはともかく、すべての蕎麦がレヴェルが高く、
      いいものを出している店だなあという印象。
      福井に行かれたら、訪ねられてはいかがでしょう。
      もう少し店内を片付けていただけると嬉しいのですが…
      蕎麦処おおくぼ

      もう一軒は日曜日、前述奈川村を訪れる道中、
      東のひらのや平野君と同三浦屋三浦君の3人で、
      ちょうど新蕎麦が出まわる時期だし、名前をよく聞く名店「Kや」さんの
      蕎麦でも食べていこう、と言う話になり、期待して訪れました。
      …しかし、本当にひどい蕎麦でした。
      まずいとか、不出来というレヴェルにない、蕎麦のカテゴリーには入らないしろもの。
      真っ黒なくせに蕎麦の味も香りも皆無です。
      おそらく、蕎麦殻などの廃棄するものを細かく挽いて、
      少量混ぜているのでしょう。
      蕎麦粉の比率に至っては、正直、何割蕎麦粉か分かりません。
      普通の蕎麦粉を使っている店なら、同割(5:5)までは比率を推測できますが、
      まず蕎麦粉自体が、蕎麦粉と呼べない廃棄物(蕎麦殻)を使っている上、
      小麦粉が大半を占めているので、私には推測さえできないひどいもの。
      もちろん、蕎麦湯を単独で飲んでも、蕎麦の味は微塵もしませんでした。

      あれが信州蕎麦の名店です。行列まで出来てます。
      本当の信州の名店は怒るべきだと思います。
      私は、一生懸命名古屋の地で、本物(に近い)蕎麦を出そうと精進しております。
      しかし、本場であんなものを出されては…。
      黒いやわやわした物体が本物の蕎麦だと思われては、この上ない迷惑です。
      信州の蕎麦屋さんの、すべてが悪いとは言いませんが、
      外国からの蕎麦粉輸入量第一位県は長野県であることは事実です。
      木曾の自然の中、信州蕎麦を食べると言うのは気分がいいことでしょうが、
      舌のレンズを曇らせないよう、ご注意下さい。
      木曽福島、国道19号線沿い、塩尻方向を向いて左手の「Kや」には、
      行かれないことをお勧めします。もちろん系列の店にも。

      今ネットで検索したら、たくさん出てますね。
      褒める人あり、けなす人あり。
      意外に鋭い指摘が多いです。
      「うどんのような食感で不思議」とか。その通りですよ。色だけつけたすいとんですから。
      ヤフーで、木曽福島 蕎麦処で検索すると、登録サイトとしてヒットします。

      ●

      あまりに有名であまりに期待して、あまりにあまりにひどいものを食べさせられたせいで、
      熱く書きこんでしまいました。
      同業の悪口は言いたくありませんが、あまりにひどすぎる。
      ひどすぎるんですよ…
      

9月14日 先日、十数年ぶりの先輩が、角丸を訪れてくださいました。
      うどん屋をやっていて、いいなあ、と思う瞬間です。
      また、同業の方と久しぶりにお会いしたら、
      その店のお客さんが、熱心に角丸HPのことを語ってくれたそうです。
      HPを立ち上げてよかったなあ、と思う瞬間です。
      そういう方のためにも、もう少し更新頻度を上げます、反省(毎回言ってますが)。

      ●

      かなり前から、大豆ペプチドが評判みたいですね。
      (更新をサボっている間に、ブームは去っているかも…)
      セブン・イレブンに行きましたら、多数の商品に「大豆ペプチド」のシールが貼ってあり、
      驚いてしまいました。
      実はみそ煮込の赤味噌なんて、大豆ペプチドそのものですけどね。
      でも、私はブームに便乗して、大豆ペプチド含有のみそ煮込はすごい!などと
      宣伝する気は毛頭ありません。
      ありとあらゆる食品にはいいところがあります。
      いい面だけを取り上げるのは危険です。
      例えば、ナッツに多く含まれるビタミンEには、強力な抗酸化作用があります。
      で、どんどんナッツを食べましょう、というニュアンスの番組や記事を見かけますが、
      ナッツは高カロリーですので、食べすぎると肥満になり、成人病の危険が増します。
      一面だけを見るのは、正しい見方ではない、ということです。
      やはり、タンパク質・炭水化物・脂質の三大栄養素をバランスよく含むことを
      もっとも重視すべきではないでしょうか。
      その上で、ビタミン・ミネラルに気を配るべきだと思います。
      みそ煮込は、栄養的に非常にバランスがよく、お勧めできる食品ですが、
      大豆ペプチドが含まれているから、ではありません。
      全体のバランスが優れているから、です。

      自分の商品を売るためなら、いい面だけを強調する風潮があります。
      誤解させてしまうような宣伝文句は控えるべきです。
      実例をあげましょう。
      @アミノ酸が10倍をうたい文句にしている酢
       アミノ酸が従来の酢の10倍も含まれていて、ダイエット中の栄養補給にいい、
       というコマーシャルがありますが、基本的に、酢はタンパク源ではありません。
       酢100グラムあたり、タンパク質(つまりアミノ酸)は0.1グラムしか含まれません。
       酢でアミノ酸をとろうというのは無理があります。
       アミノ酸バランスがいいそうですが、鶏卵を食べれば、アミノ酸はスコア100で、
       しかも含有量はグラム比で120倍以上ですので、勝負になりません。
       酢には酢のいいところがあるはずで、違うアピールがあって然るべきと考えます。
      Aアブラを胃で分解してくれる胃薬
       息子役の俳優とお母さん役の女優が脂っこいものを食べるコマーシャルです。
       「脂を胃で分解して、ここに(と言って下腹を指す)たまらないようにしてくれる」
       をうたい文句にしています。
       お腹に脂肪がつかないような誤解を生じさせる意図を感じます。
       あれは、胃もたれしない薬であって、胃で効率よく分解された脂肪は、
       エネルギー源となり、消費しきれないものは皮下脂肪になります。
       胃もたれして食欲が落ちない分、太るかも知れない要素を持っています、
       誤解ないようにお使い下さいね。

      他にも実例を考えていましたが、疲れました。
      人のことを言うのは、本来どうでもいいことです。
      ただ、健康に気を配る方が増えたのはいいのですが、ひどい情報が多く氾濫し、
      誤解をあたえる現状に一石を投じたく、一筆とった次第です。
      人の健康でいたい気持ちを逆手にとった商売は、好ましいことではないと思います。

      ●

      明日は全国麺業青年会の全国大会に、福井まで行ってまいります。
      他府県の同業者と語り合って、刺激を受けて参りたいと思います。

      蕎麦の栽培をしている話も書きたいんですが、また次回。

8月4日 月イチ更新になってますね…

      遅くなりましたが、お盆休みのお知らせです。
      8月12日(木)〜15日(日)、お休みをいただきます。
      16日より通常営業致します。
      よろしくお願い致します。

      また近いうち更新します。せめて月2回くらい、と思っているのですが。

7月13日 データを蓄積する、という話を書きます。

      あるお客さんと話していて、
      農家は一生のうちに、米を50回しか作れない、という話を聞きました。
      確かに、一年に一度しか作れないものですから、そういう計算になります。
      それだけの経験しか積めない仕事に比べて、うどん屋は有利だということを
      そのお客さんはおっしゃいました。
      確かにその通りだと思います。
      うどん作りも米作も、自然の気候に左右される要素を含んでいます。
      それを経験で補い、ぶれを少なくしていくのですが、
      例えば50回しかうどんを打たない人は、
      うどんの何たるかをかじった程度で、気候に左右云々まで到達できないかもしれません。
      農家は、代々ノウハウを受け継いできたとしても、
      たかだか3,000回しか経験できていないのです。
      我々は毎日毎日、一日に何枚も手打を重ね、
      その都度うどんと掌で対話して、1歩ずつ階段を上って行けます。
      先達からのノウハウを結集すると、どれだけのデータの蓄積があることでしょう。
      それは、凄く恵まれたことなのだなあと感謝に似た思いが生まれました。

      角丸でも、必ずデータを残しています。
      掌の感覚で大丈夫なのですが、
      それでも加水などのデータは残してあります。
      私は、懸垂をして来た日は、固めのうどんを作る傾向にあります。
      そういうデータを基に、懸垂を行った日は柔らか目を心がけます。
      毎日データを蓄積していくと、万が一私が手を怪我して、
      いつものような感覚を得られない場合にも、
      角丸の名に恥じぬうどんを作ることが可能です。
      実際、今でも毎回水は計量して、
      99%まではデータ通りやっています。
      残り1%が掌の攻防です。
      結局最後は感覚、私の脳に刻まれたデータの勝負になるのですが、
      紙に残せるデータも、重要なものと考え、蓄積していこうと思っています。
      何万というデータを宝として四代目に伝える日まで…

6月23日 近々更新…と言いながら…申し訳ございません。
      かなり前から夏メニュー(ころ、おろし等)を始めましたが、
      その報告もまだでしたね。

      気を取り直して、ちょっと前に聞いた話を書きます。

      テレビのコマーシャル(以下CF)が危機なんだそうです。
      DVD付HDDレコーダーが普及して、30秒スキップなんて機能がついているせいで、
      CFを見ない人が増えているのだとか。
      また、手軽に録画できるので、
      放送時間帯によって訴求ターゲット層を絞り込めないのだそうです。
      で、広告業界は何を考えるかと言うと、
      番組内に商品を出すという戦略があるそうです。
      ドラマの主人公に持たせてみたり、
      さりげなく机の上に置いてみたり。
      グルメ番組で紹介するのも効果的で注目されている、とのこと。

      確かに番組内で美味しそうなものを見ると購買意欲をそそられますよね。
      先日もドラマ『離婚弁護士』でベアードパパのシュークリームが美味しそうに登場して、
      思わず次の週は買ってしまいましたからね。
      ただ、そういうのは制作者の遊びであって欲しいと思います。
      広告業界が着目して、そこに何らかのお金が発生すると、
      とってもつまらなくなってしまいそうな気がします。

      ましてや、グルメ番組や料理番組にまで、広告が入りこむと、
      それは情報番組ではなくなってしまうのではないでしょうか?
      御用番組、傀儡番組。
      今でも充分ひどい番組が多いのに、
      これ以上制作者がポリシーをなくすなら、
      きっと誰もグルメ情報に見向きしなくなることでしょう。

      そういう雑誌・テレビに、たまに紹介される者として、
      広告と情報を、切り離すべきだと強く主張します。

      大豆ペプチドの話、データを蓄積する話、消費税の話、書きたいことはいっぱいです。
      なるべく更新するように心がけます。
      

5月20日 前の更新からもう1ヶ月も経ったのですね…
      こういうことを書こうと思うと、忘れないようにキーワードだけメモしておくのですが、
      パソコンの前にメモがてんこ盛りになっています。
      書きたいことは日常的に出てくるのですが、
      時間が追いついてきません。
      いつもご覧下さる皆様、申し訳ございません。

      今回はFAQのページを更新しました。
      手打研究会のHPにQ&Aページがあるのですが、
      その内容が、説明不足に感じましたので、その補足です。
      本当は、手をつけてはいけない気がします。
      どんな手打の大御所が書いた内容か、わからないからです。
      でも、せっかくのHPですから、
      内容が充実したほうがいいですんもんね。
      興味のある方、ご覧下さい。

      また近々更新します。
      美味しい店も、追加したい店があるんです。
      

4月26日 更新をサボっている間に、みそ煮込牡蠣入りは終了してしまいました。
      それに代わって、ささめ(細うどんざる)が早くも登場です。
      ささめが大変お気に入りの常連さんがいらっしゃって、
      何度も催促されたものですから…。
      うれしいことだと思います。

      このところ、蕎麦の売れ行きも順調です。
      去年までは、出るときは一気に出て、早売り切れ、
      出ない日は出ないで全廃棄、という感じでしたが、
      今年はコンスタントにご注文をいただいて、ありがたく思っております。

      新蕎麦の出来が悪い話を書きましたが、
      もちろん、蕎麦の出来がさかのぼって良くなるわけでもありませんが、
      そこそこ納得がいくようになってきています。
      ワタライ製粉さんがこちらの要望に応えてくださったおかげかも知れません。
      実は私自身も蕎麦打ちの調子が良く、
      毎日納得し、自信を持ってお出しすることが出来ています。

      今のところ、蕎麦もうどんも本当に調子よく打てています。
      それがある日、何かの拍子に、自分の打ったものが気に入らなくなってくるのです。
      別に下手になったわけではなく、自分の求めるものとの食い違いに目が行ってしまうのです。
      そういうときはきついです。
      どうも納得いかない、どうも自分の思う麺と違う、そういう思いを抱えながらの
      仕事はつらいです。
      そしてトンネルを抜けるように、一つ課題を克服して、
      納得して麺を打つ、そのうち気に入らなくなる…の繰り返しです。
      克服するきっかけは、技術的なことだったり、材料の見なおしだったりします。
      今年前半くらいは、長いトンネルでした。
      玄人風に言うと、「腰を遅らせる」感じ、
      掌の感覚なので、言葉に表すのは困難ですが、
      その感覚をモノにして、トンネルを抜けることができ、今はとても満足して麺を打っています。
      これは蕎麦打ちの極意ではないか、とか悦に入ったりしております。

      去年の夏、奈良に住む同級生に頼まれてうどんを送り、
      絶賛してもらったことがありましたが、
      (その時は非常にいい出来で、私も自信がありましたが)
      私自身はそれからもいくつかのトンネルをくぐり抜けて来ました。
      去年のうどんだって、その時は凄く自信があったのです。
      でも、自分自信の質の設定が上がり、
      相対的に去年のうどんは評価が下がりました。
      去年納得したうどんは、今やとてもお客様にはお出し出来ません。
      一般のお客さんが食べてお分かりになるかどうかは分かりませんが、
      私自身の評価では、そうなっています。
      同様に、今納得するものが来年は気に入らなくなっている事でしょう。
      ずっとずっとトンネルと平常の繰り返しが続くのか、
      いつか『究極』にたどり着けるのか、私には分かりませんが、
      とにかく前へ進むこと、それが大事なんだと自分に言い聞かせる毎日です。

4月3日 前回「変化」について書きました。
     今回はそれを具体的に、コストという観点から…。

     我々は仕事をするとき、コストを払います。
     単純にお金だけでなく、時間を取られることもコストの一つです。
     バブルがはじけて、売上が伸びなくなってから、
     コスト削減は当たり前のことになりました。

     それが悪いって言ってるわけではないんですが。
     でも、質が落ちてお客様が減ったら、元も子もありませんよね?
     質を落とさずに金額を減らすのは、そりゃ理想的ですが、
     なかなか簡単なことではありません。

     この間、だし屋さんと話をしていて、
     いろいろな魚のだしを試したことがあります。
     当然、単価は気にしますが、
     すごくおいしいなら、高いものでも構わないと思います。
     その分利幅は減りますが、
     知れた差だと言えば知れた差だと言えなくもない。
     美味しいから、ということでお客様が1日に数名増えれば、
     それでペイできると思うんですが、
     そういう考え方は、珍しいと言われました。

     うどん屋は手間を売る商売です。
     うどんをこさえるのは非常に手間がかかります。
     まあ、手抜きしてもうどんにはなりますが、
     そういう次元の話ではなく、私が納得するうどんには手間がかかります。
     手間を売る商売だからこそ、手を抜くことだけは絶対やっちゃいけないと思います。
     だしだって、大した金額じゃないからこそ、
     いいものを吟味して、手抜きせずにやらなきゃいけないと思うんです。
     結局、一番肝心な「味」にすべてが反映されますから。

     ただ、ひとつ、はっきり言えるのは、
     高価なものを使いさえすればいい味になるのかと言えば、
     そうではありません。
     確かに本節のいいものはべらぼうな値段で、
     かつをの純粋な味が出ます。
     でもそれは薄く削って一瞬煮出すような、和食の技法でなければ真価は発揮できません。
     そしてその和食のだしでは、みそ煮込のだしとして弱すぎる。
     高価な素材を惜しみなく使うというのは、
     一見、素晴らしいことのように見えますが、
     味がばらばらになることが往々にしてあります。
     値段で判断するのは本末転倒。
     自分のセンスに自信が無いから、上から下までブランドづくめのファッションみたいなものです。
     その料理にあった、その料理を活かす素材を選ぶべきで、
     そのためには料理人の経験と能力を総動員しなければなりません。

     角丸では、みそ煮込やその他メニューを活かすことを第一に、素材を吟味します。
     これを使えば活きる、と思えば、高価な素材も使います。
     値段やブランドで選ぶので無く、中身重視で。
     そして素材を選ぶテストは、いつまでも続けようと決心しています。
     究極は、まだまだ先にあります。

4月1日 メジャーリーグに行って、松井(秀)選手は打撃フォームを変えましたね。
     より上を目指すため、変化を受け入れ、自分のものにするのはさすがです。

     野球以外でも、スポーツの世界では、変化についていくことが重要なように思います。
     スピードスケートでも、スラップスケートが出たとき、
     早々ととり入れた選手と、今までの技術に固執した選手とでは、
     前者のほうが成功しました。
     スキーのジャンプならV字飛型、アルペンならカービングスキー、
     新たなものに早く挑戦したほうが、その後の成績が芳しいように思います。
     今までのアドヴァンテージを捨てるのは勇気がいるでしょうが。

     角丸でも、お客様はお気づきにならない方がほとんどでしょうが、
     より良い味を目指して、色々と改良をし続けています。
     ここ2年くらいの間に、削り節屋さんは、二回変えました。
     蕎麦粉屋さんも変えてます。
     新しい小麦粉も、最近試して好感触を得ています。
     大きな変化ではありませんが、徐々に私のイメージに近づいています。
     私のイメージする、最高のものに。(まだまだ果てしないですが)
     やはり、回りの店が研究をしている以上、
     維持するだけではダメだと思います。
     回りが上がれば、相対的に自分の店が下がるのと同じことです。
     常に上を目指して、すべてを見なおしつづけたいと思っています。
     変わることを恐れずに。

     「老舗ほどよく変わる」と聞いたことがあります。
     暖簾を守る、守勢に回るので無く、上を目指しつづける、
     逆に言えば、そういう店しか、老舗になり得ないのだと思います。
     角丸も歴史はありますが、これからますます皆様に可愛がっていただくために、
     私は手間を惜しまず、変化しつづけたいと思います。
     究極の私のイメージに向って。

     次は具体的に、コスト意識について書きます。

3月31日 先日発売のケリーに、角丸が掲載されました。
      このページをご愛読いただいている方ならお分かりでしょうが、
      ずっとケリーはお断りでした。
      まったく違う記事を書かれた経験があるので…。
      今回久しぶりにお受けした理由は、
      お得意様が角丸を紹介してくださる趣旨であったことと、
      また、以前のことをきちんと謝罪していただいたからです。
      結果としては、まあまあの取材というところでした。
      みそ煮込の写真の色がかなり赤っぽくて、おかしく見えるところは
      非常に気に入りませんが。
      (校正はモノクロでしたので、そこのチェックは出来なかった)

      先日、プロの同業の方に、
      「角丸のホームページが参考になる」とおっしゃっていただいて、
      嬉しいような気恥かしいような気分でした。
      気を入れて、恥ずかしくないことを書かなくちゃ、とか、
      もうちょっと更新頻度をあげなきゃな、とか思いました。
      これからも一生懸命書きますので、よろしくお付き合いください。

      なお、GW中の営業ですが、
      今年も暦通りにお休みをいただきます。
      遠方から友達が来るから、ぜひ角丸のみそ煮込を食べさせたい!
      と、よく言われて、非常に申し訳無い気持ちになりますが、
      今のところ、勘弁してください。
      

3月4日 このところ、愛知県麺業青年会の、讃岐うどん粉の勉強会で忙殺されていました。
     やっと2月28日にそれが終わり、ほっと一息ついております。
     もうまもなく、内容に関してアップできると思います。(あと数日中には)
     興味のあるかたは、青年会ページをご覧下さい。

     しかし、鳥インフルエンザの続報には参ります。
     私は以前、「神経質になりすぎることはない」と書きましたが、
     当然それは消費者のサイドの話です。
     そう分かってはいても、最近は鶏肉を購入するときに、
     ふとインフルエンザのことが頭をよぎってしまうものですよね?
     多くの人がそうだと思います。
     そんな折に、まさか、養鶏業者というプロが、
     目の前でばたばたと鶏が死んでいるのに、
     インフルエンザを疑わなかったなどという話が通用するのでしょうか?
     儀式的に頭を下げて済む問題ではないと思います。

     いったい何を信じればよいのでしょうか。
     私は取引業者の普段からの誠実さや、プロ意識を信じます。
     あの人の持ってくるものだから大丈夫、と信頼する業者が何人かいます。
     信頼感のある業者、という一つのお墨付き。
     それを私たちはさらに吟味して、角丸というさらなるお墨付きを与えているつもりです。
     そういうものしかお出ししていません。
     信じてくださるも否も、お客様の勝手ですが。

     私たちは昼食に、お客様と同じものを食べます。
     特別なまかない食を用意しません。
     品質をチェックできるというのもありますが、
     本当は食べたいから食べているんです。
     美味しいものを作っている自信がありますから。
     下手なものを食べるより、店のものを食べようと思います。
     逆にいえば、自分が食べたくないものを売ることはできないということです。
     お客さんと同じものを食べる、そういう意識も大切かも知れません。
     件の養鶏業者は、きっと、そういう意識も欠落していたのだと思います。
     自分や家族の口に入ることを考えたら、ああいうことは出来ないはずです。
     売りっぱなし、プロ意識の無さ。
     私はあきれてしまいます。
     がしかし、これを自戒として、ますます食材の吟味をしようとの思いを新たにします。

2月19日 ご好評のみそ煮込牡蠣入りですが、
      昨日、一昨日と私が食べたところ、
      身が縮んでしまうものがございました。
      味は悪くないのですが、大ぶりな牡蠣が角丸の自慢、
      このままお出しするわけには参りません。
      早速取引業者に連絡をとり、
      原因を調べさせております。
      本日は、そういうわけで、
      牡蠣入りをお出ししませんでした。
      信用が第一ですから。
      私が食べて、見つけてよかったと思います。

      …ところが、同じ仕入業者から、同じ日に仕入れた牡蠣を
      先ほど食べたところ、まったく縮まず、大ぶりの美味しい牡蠣でした。
      いくつか試しましたが、たまたまひと袋だけ縮むものが入っていたようです。
      というわけで、ひとまず、一件落着して、牡蠣入りをお出しできるようになりました。

      こればかりは、火を入れてみないと分かりません。
      (水産業者のプロならば目利きできるかも知れませんが。)
      業者には原因究明の上、二度と起こらないような処置をとりたいと思いますので、
      今後とも角丸の牡蠣入りみそ煮込をよろしくお願いいたします。
      シーズン終盤ですが、質の良い物が入荷しております。

2月16日 2月7日に、蕎麦が売切れたので、来週は多めに…と書きましたが、
      見事、いつも通り、少ししか出なくて、たくさん余ってしまいました。
      パートさんは大喜びでした。

      まあ、慣れっこですけどね。
      あまったものは、捨てるなり、あげるなりしないと、
      古いものを売って平気ということになりかねません。
      そうなると、技術うんぬん、知識うんぬん以前の問題になってしまいます。
      心を込めたものを捨てるのは、非常にストレスになる行為ですが、
      私は我慢して、それを受け入れます。

      まだ私は手打でこさえているので、いいほうです。
      機械だと、種類にもよりますが、粉で2キロか3キロが最低量だそうです。
      粉2キロというと、角丸の分量では、26玉くらいとれます。
      ざるそば並盛りで、17人前強。
      悲しいかな、角丸ではこの時期、そんなにたくさん蕎麦が出ません。
      そんなに作ると、保存を考えなければなりません。
      角丸では、毎日、その四分の一くらいの量を、丁寧にこさえてます。
      そのためには、実質的な理由から、手打が必要です。

      うどん屋さんによっては、そういう機械で多めにつくって冷凍保存したりするそうです。
      私も試したことがありますが、私の基準ではとても売り物にはなりません。
      角丸のように、つなぎの少ない蕎麦には特に合わないのかも知れません。
      第一、自分が食べる気がしないのです。
      「今日は蕎麦を食べようか」と思ったときに、冷凍しかなかったら、萎えてしまいます。
      自分が食べたくないものは作りたくないし、売りたくない。
      これって、とても重要な基準だと思います。

      角丸で扱う、すべてのものは、私が食べたいものを採用しています。
      椎茸だって、牡蠣だって、ホタテだって、もちろん蕎麦も。
      打ちたてを食べたいのは誰だって同じですもんね。

      それでも、やはり、捨てるのは自分の身を切られるように痛いです。
      一生懸命作ったものですから。
      なるべく、皆様の口に入るのが理想です。
 

2月10日 2月5日の書きこみの追伸です。

      私は、四里四方云々と偉そうな事を書きましたが、
      ちょっときれい過ぎる、誤解を招きかねないので追記します。
      角丸で、まったく合理化の恩恵を受けていないわけではありません。
      例えば干し椎茸は中国より輸入したものを使っています。
      なるべく肉厚で味のよいものを吟味しているつもりです。

      合理化は大事なことです。
      ただ、程度が肝心な気が致します。

      有名なハンバーガーチェーンMがございます。
      一昔前、60円を切る価格で販売していた店です。
      あそこなんかが所謂大手のやり方ではないかなあ、と思います。
      徹底した合理化、マニュアル化。
      詳細なマーケティングリサーチ。
      それをけなすつもりはございません。
      ただ、私はあそこでは食事する気がしません。
      私なら、「モスバーガー」を選びます。
      もちろんモスだって、合理化しています。
      そうじゃなきゃ、あれだけ店舗拡張できません。
      でも、優先順位がMとは違う気がします。

      勘違いして欲しくないのは、どちらも大手で、合理化を進めた店だということです。
      そして、私は個人的意見として、好みとして、モスを選ぶという話です。

      10年先、20年先、勝つのはどちらか、それはわかりませんし、
      そういう話でもありません。
      でも、ケーキ屋さんでも、大手のケーキ屋がほとんど潰れてしまいました。
      大手のほうが、市場の好みを研究しているはずなのに、
      町の小さなケーキ屋さんのほうが残っている。
      私が買うとしても、後者のケーキを買いたいと思います。
      大量生産、均一化、どれも大事なのはよく分かりますが、
      面白みや温かみがないように感じられます。
      実際、そう思う人が増えているのでしょう。
      今、そういう流れが、外食産業に来ているのかもしれません。

2月7日 本日は実に早い時間帯で蕎麦が売切れてしまい、申し訳ありませんでした。
     正直、この時期の土曜日は注文が稀なので、
     ごく少量しかご用意しておりませんでした。
     得てしてそうしたものですが、そういう日に限ってご注文を多くいただけるものです。
     来週土曜日は多めに打ちます。(そうすると注文が…?)

     現在角丸ではワタライ製粉さんの「木鉢」という蕎麦粉を使っています。
     拙HPをいつもお読みくださる方はご存知でしょうが、
     白くて粗い、さっぱりした粉です。
     しかし、非常に扱いは難しい粉です。
     どうも今年の新蕎麦(年が明けてこの表現が適切かどうか?)はできがいまいちで、
     苦労させられます。
     「ひね(去年もの)でいいから残ってない?」と先日もワタライさんに訊いたのですが、
     みながそう言うそうです。
     今はいいとして、夏場が今から思いやられます。

     ワタライさんは、新商品として、かなり自信作を試作中です。
     見本を角丸へもお持ちいただいて、私の意見も参考にしてくださるそうなので、
     今から楽しみにしております。

     やはり、業者さんは、
     @高品質を妥当な価格で
     A品質の安定
     Bこちらに何らかの提案をしてくれる
     業者がいいと思います。
     業者さんに言いたいことを、
     「初めてご覧になる方へ」ページに追記しましたので、
     ついでがあれば見てやってください。

2月5日 BSEは思った以上に長引いていますね。
     鳥インフルエンザも然りです。
     角丸には関係無い話ですが(相場が上がらないうちは)、
     特に大手の打撃は深刻なようです。

     一昔まえ、まあ、今でももちろんですが、
     生産を人件費の安い地域に求めるということが、飲食業界にもやってきました。
     鶏はアジアから冷凍にして輸入、というようなことです。
     確かに値段は驚くべき安さで、
     麺類店でも多くがそういうお世話になっているはずです。
     特に大手チェーンは合理化・効率化には敏感なので、
     まず100%と言いきっていいくらい、輸入に頼り切っています。

     私は以前から否定的な人間です。
     基本的には、四里四方のものを食べていたい人間です。
     四里ですから16キロくらいですね。
     当然旬のものになります。
     まあ、それは極端ですが、私にとって、
     食べるということは大事なことで、
     合理化でははかりきれない何かが存在すると思っているのです。
     そしてそれは、大手がやれないことのひとつで、
     我々零細店が大手と渡り合うために、大事にしなければならないことだと思います。
     同じ土俵で、同じ方法論で勝てるわけがありませんから。

     今回の騒動で、皆様にもっと食へ関心を持っていただけると嬉しく思います。
     そして、食の分野に蔓延した効率主義に一撃が加わることを期待します。
     食べてみると分かるものですよ。
     アジアの冷凍の鶏と、国産の朝挽きの鶏との違いは。
     美味しいということは、身体にもいいということです。

   

1月29日 昨日付けの書きこみで、
      「鳥インフルエンザについては、はっきりした知識を持ち合わせてはいませんが」
      と書きましたが、やはり、鶏肉を売る立場の人間として、
      無責任な発言でした。
      お詫びします。

      専門的な知識ではありませんが、調べて参りました。
      鳥インフルエンザウィルスは、
      過去に卵や鶏肉を食べたことで人間に感染した例はありません
      生きた鳥と接触した際に感染することがあるそうです。
      また、高温に弱く、75℃1分間加熱で死滅するそうです。
      万一、ウイルスが胃に入った場合も、胃酸にやられ、
      ウイルスに冒されることはないそうです。

      大筋で間違ったことは書いていませんでしたが、
      売る人間として、プロたる責任が足らなかったように思います。
      責任感を忘れれば、すぐに質は低下します。
      自戒します。

1月28日 BSE問題が深刻だなあ、と他人事のように思っていたら、
      今度は鳥インフルエンザが猛威を奮って、
      外食産業に影響…とのニュースを拝見しました。

      角丸では、輸入冷凍鶏肉は、一切使用しておりません。
      すべて朝びきの新鮮な鶏を使用しております。
      鳥インフルエンザについては、はっきりした知識を持ち合わせてはいませんが、
      まず、角丸では大丈夫と断言できると思います。

      外食産業に影響、というのは仕入れルートの話です。
      コンビニの鶏唐揚げや大手ファミリーレストランの鶏メニューには、
      一般的に輸入冷凍鶏肉が使用されていて、
      その確保に支障が出る、という話です。
      風評で、鶏を食べるとインフルエンザになる、というような
      情報が一人歩きしないことを願います。
      だって、ちょっと考えてみてください。
      インフルエンザは冬に流行る病気です。
      温度や湿度が上がると生息できないウイルスです。
      みそ煮込でグツグツ煮て、
      それでも危険に思う人がいたら、
      それは神経質になりすぎているように思います。

      それより、私は、鶏肉の相場が心配です…

1月21日 新蕎麦の話を書くんでしたね…
      今年の新蕎麦はできが悪いです。
      がっかりした気分になりました。
      今現在もワタライ製粉さんと、少しでも良くなるよう、
      試行錯誤していますので、最終的な話はまた書きます。

      またか、と思われるかも知れませんが、
      ひどい取材について書きます。
      まず、以下のメールをご覧下さい。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

角丸 御中
代表者 様

○○○特別編集号
企画書
アンケート・写真提供ご協力のお願い
(あいさつ略)
 さて、この度は弊社編集制作の「月刊○○○」の
特別編集号「郷土のグルメ&スパっと温泉2(仮)」
編集記事につきご協力を賜わりたく、略儀ながら書面にてお願い申し上げます。
 編集企画としまして、全国のうどんなどを紹介する無料掲載企画
「全国あったか麺の旅(仮)」にて御社を紹介させていただきたく思います。
 つきましては企画書を参考のうえ、写真・資料などの送付をお願いいたします。

敬具

●掲載雑誌 ○○○特別編集号「郷土のグルメ&スパっと温泉2(仮)」
●掲載月号 平成15年1月○○日(○)発売
●企画名「全国あったか麺の旅(仮)」
 全国の名物うどん、麺類を紹介する企画です。掲載料は一切いただきません。
 別紙のアンケートにご協力をお願い致します。
●ご協力をいただきたい写真
 以下の写真についてご協力をお願いいたします。
(写真のメディア記述略)
ご協力依頼カット
 1.御社のうどんなどの(ざる、どんぶりなどへの)盛り付け写真
  もっとも基本的なメニューのお写真をお願いいたします。
  (こちらは必須でお願い致します)
 2.店の内観・外観(外観も必須でお願いいたします)
 3.調理している様子
 4.食べているところ
同時に、資料(カタログなど)があればそちらもお願いいたします。

(中略)
料理&店舗紹介アンケート

●うどんなど麺料理の特徴…味付け、調理方法など、箇条書きでもかまいません

●主な具材

●おすすめメニュー

      …ひどいと思いませんか?
      足を運びもしないで、食べもしないで、写真も撮らせて、
      それで記事にしようとしているのです。
      願わくば、皆様がこの雑誌を購入されないことを祈ります。
      (特定名は伏せましたがバイクツーリングの雑誌です。)
      もちろん、角丸は返信しておりません。

      すべての雑誌がそうだとは言いませんが、
      グルメ記事に、過剰な信頼を寄せるのはやめたほうが賢明です。

      あと最近多いのが、クーポンが必須条件の雑誌ですね。
      クーポンってどうなんでしょう?
      私はピンときません。
      角丸では、飲み物を扱わないので、ワンドリンク無料などのサーヴィスは出来ません。
      また、ディスカウントはしたくありません。
      最初から値引きを観越した値をつけているのでは?と思しき店もありますが、
      私どもは適正価格として、今の価格にプライドがありますし、
      クーポンをお持ちで無いお客様と差をつけるのは失礼な気が致します。
      今後も、クーポン提供は拒否するので、
      それが条件の雑誌掲載は減ることでしょう。

      とにかく、私どもはいいうどんをこさえることを第一にやっております。
      そのためには、面倒なこともいとわずにやっております。
      写真も人に撮らせるような、コメントも自分で考えないような、
      いい加減に金を稼ごうと思っている人たちの片棒を担ぐ気はさらさらありません。
      そう、いい加減さ、安易さ、プライドの無さに腹が立つのです。
      お金を払ってくれるお客さんのことを考えていない証拠です。
      いろいろな取材を受けていると、
      時には素晴らしい情熱を持った取材に会うことがあります。
      それだけを糧に、今後もスタイルを持って、マスコミに接していこうと思います。

1月6日 昨夜の放送、見ていただけましたか?
     18時30分くらいに、ほっとイブニングの特集コーナーで取り上げていただいたほか、
     21時ちょっと前のニュース枠でも同じ物が放送されました。

     担当していただいた方がメールでおっしゃっていましたが、
     煮込と鍋焼の違いに言及していると、なお良かったと思います。
     しかし、限られた時間の中で、編集の妙、分かりやすくまとまっていたと思います。

     私は、テレビに、即効性のある宣伝を求めていません。
     テレビを見てお客様が押しかけるような紹介の仕方では、
     いい仕事ができませんし、いつものお客様に迷惑がかかります。
     おかげさまで、明日お客様がいらっしゃらないのではないかという危機感は、
     私は持たずに済んでいます。
     だから、ことさら必死になって宣伝しようという気は起きません。
     ただ、長い目で見て、将来、ラーメン店やファーストフードに、
     うどん屋が負けてしまうのではないか、
という危機感を持っています。
     もっと、うどんの良さをアピールする必要があると思います。
     そのためには店よりも麺自体にスポットを当てるべきです。
     そういう意味で、まさに、私がイメージする、最高の取材でした。
     ああいう番組に係わりあえたことを誇りに思います。

     今度こそ、新蕎麦の話を書きます。

1月5日 明けましておめでとうございます。
     本年もよろしくお願いいたします。

     私どもの仕事にも季節感は出るもので、
     例えば、暮には蕎麦が多めに出る、とか、
     正月明けにはもちが出ない、とか。
     しかし、それも年々感じられなくなってきていて、
     今時はお正月にも飽きるほどおもちを召し上がっていないのかなあ、と思ったりします。
     スーパーでも元旦から営業するご時世ですからね。
     便利なのはいいんですが、大事なものが減っているような気がして、
     寂しい気も致します。

     暮にお知らせした通り、NHKほっとイブニングに出演するのですが、
     どうやら本日のようです。
     お知らせが遅くなり、申し訳ございません。
     気がついた方はご覧になってください。
     ご感想をおきかせ願えれば嬉しく思います。

     予告だけしている新蕎麦の件はまた近いうち書きます。

     本年が、皆様にとっても、私どもにとっても、よい年でありますように…