バックナンバー2010年
バックナンバー
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2011年
12月20日 年末年始営業のお知らせ
年内は、12月28日まで通常営業
29日は14時まで営業しますが、売り切れの場合は早終いさせていただきます。
年始は1月4日は14時まで営業、
5日より通常営業いたします。
よろしくお願い申し上げます。
11月26日 先日、東麺青年会のメンバーで旅行に行ってきました。今回は岐阜へ。
お昼に、有名な「胡蝶庵仙波」さんにお邪魔しました。
全体として、とてもおいしくいただきました。
私がチョイスしたのは、ざる二枚で、普通と手挽きを一枚ずつ。
先に普通のが出ましたが、充分粗挽きで、この仕事には感じ入りました。
手挽きのほうは、野趣溢れる、といった風情で、しゃごつく感じのお蕎麦です。
私の個人的な意見としては、手挽きまでいかないほうが、上品さと野趣が共存していて好きでした。
おつゆは正直、名古屋風だなあ、と。
私は店で一般に使うだしには、ムロアジ・ササ(宗田鰹)・鯖節・本鰹に椎茸を使いますが、
そばつゆだけは、別に本鰹の本枯れ節という、非常に高価な節を使っています。
ここのおつゆは、私の口では、ムロアジとササ、それと椎茸を感じましたが、
本鰹は感じられませんでした。
少し、だしの風味が弱いかな、とも思いました。
(蕎麦湯を飲むときにも、鰹が開くことはありませんでした。)
11時の開店前に到着し、二番目で通されたのですが、非常に出てくるまでに時間がかかりました。
ビールさえ、催促をして、やっとという感じ。
お蕎麦にありつくまでに、たっぷり30分以上。
ああいうお店は、ゆっくり寛いで、時間や空間まで楽しむようなゆとりのある方向けでしょうね。
私たちは皆商売人ですので、待っていらっしゃる方が気になって、お尻がむずむずしながら頂きました。
また、いい値段しますね。
羨ましくも思います。
ただ入り口に、「10歳未満の幼児お断り」との旨の言葉がありました。
私は、こういう方針の店は好きではありません。
誰だって、子供だった。
生まれたときから、大人のような物言いは好きではありません。
ましてや、お蕎麦なんて、大衆食ではないのでしょうか。
そのあたりが私には残念なところでした。
もちろん、静かな場所で静かにお蕎麦を堪能したい方にはいい店だと思います。
角丸の営業方針とは合いませんが、こういうお店があっても、それはいいでしょう。
いや本当に、ハイレヴェルなお蕎麦がいただけることは、保証します。
でも私は、皆様に手頃な値段で気楽に召し上がっていただけるお店でありたいと思います。
10月6日 4日に牡蠣の不出来について書きましたが、
昨日の荷を試食したところ、去年同様、美味しい牡蠣でしたので、
本日より、牡蠣入りをお出しいたします。
どうやら、輸送中の問題であったと考えられます。
仕入先には、このようなことがないよう、充分お願いしておきましたし、
私どもも時々試食して、クオリティーを確認いたします。
みそ煮込みにプリプリの牡蠣が4個も入って、1100円にてお出しします。
よろしくお願いいたします。
10月4日 先週、牡蠣が入荷しました。
去年、非常に気に入った牡蠣が見つかり、同じ品を同じ業者から仕入れたのですが…。
試しに食べてみたら、まったく美味しくない。
むしろ、まずい。
早速業者を呼び、原因を探ってもらっています。
とりあえず、購入分は返品してしまいましたので、次の品が入り、試食して納得できるまで、
牡蠣入りはお出しいたしませんので、よろしくご了承の程、お願いいたします。
やはり、自分自身が食べたくならないようなものは、お客様にお出しできません。
その大原則を大事に、これからもやっていきますので、よろしくお願いいたします。
9月17日 麺類組合のメンバーと話をしている時、よく、
「まあ、ここまで分かってくれるお客さんはいないけどね」という言葉が出ます。
確かに。そう思う瞬間は少なくありません。
私は、なるべくお客様が召し上がるところを気にしてみていますが、
非常に残念な思いをすることが少なくありません。
例えば、お出ししたのに雑誌を読み続ける方。
携帯に夢中な方。
お連れの方の注文が出揃うまで、お待ちになる方。
食べるより、写真撮影(ブログに使うのかな?)にご執心な方。
とても残念です。
やはり、麺類はできたてを召し上がっていただきたいものです。
特に、蕎麦や冷麦などの、茹で時間の短いメニューは、早くお出しできますが、
そのぶん茹でのびも早いものです。
違うメニューを選択されたのなら、
揃うまでお待ちにならずに召し上がっていただきたいものだと常々思います。
ただ、昔ほど、そういうことを気にしないように心がけています。
我々は商売ですから。どこまで行っても、お金を稼ぐために働いているわけですから。
自分が打った麺を、お買い上げいただけば問題ないわけです。
どう召し上がろうが、その方の勝手、ということなのでしょう。
(以前、ざるそばと大盛ライスをご注文されて、
汁につけた蕎麦をご飯の上に乗せて掻きこんだお客様がいらっしゃいました。
すごくできのいい蕎麦だったので、悲しくなりましたが、
大盛ライスぶん売上が上がってよかったと思わなきゃいけないんでしょうね。)
特にお蕎麦に関しては、名古屋は遅れています。
もともとうどん文化圏ですからね。
お蕎麦をたっぷりつまんで、お猪口にどっぷりつけて、二三度かき回してから召し上がる方の多いこと。
それはそれで、その方の勝手です。
でも、そうした瞬間に、私が一生懸命仕事したことの半分くらいは意味がなくなってしまうのです。
テキトーに作ったものと、変わらなくなってしまうのです。
反面、ものすごくいい音をたてて召し上がってくださるお客様もいらっしゃいます。
すするリズムだけでこちらの気分も上がるようなお客様。
蕎麦湯を飲んで、「鰹が開くね」と、そこまで分かってもらえれば本望だと思う方もいらっしゃいます。
そういう方がどんどん増えてきています。少なくとも角丸では。
かつて、麺類の大先輩に、こう教えてもらったことがあります。
曰く、名古屋で試食会をすると、蕎麦粉の含有量の多い蕎麦ほど、美味しく思わない人が多い。
蕎麦粉と小麦粉を同じくらいにして、甘めの汁をつけると、一番受けがいい。
だから、二八だと粋がってみても、そんなものは売れないよ、と。
それはそれで本当のことなのでしょう。
マーケティング・リサーチという奴ですね。
でも、私は、ほんの一握りの蕎麦の味が分かる人のために、わざわざ本枯れ節でだしをとりたい。
もの凄い値段を出して、日本中から質のいい蕎麦を手に入れたい。
大多数の好みが違うほうを向いていても、私は私が美味しいと思うものを売っていたいし、
分かってくださるお客様の顔を思い浮かべて、手抜きをしたくありません。
お客様が分かってくれるかどうかと、自分がどういう仕事をするかは、本来別のことだと私は考えます。
お店は主人の顔が見えるものを出せばいい。
お客様は大事ですが、媚を売る必要はないと私は考えています。
場合によっては、お客様に本物を教えて差し上げる存在であってもいいように思っています。
●
で、元に戻って、お客様は味が分からない方が多いのか?
これは非常に難しい質問だと思います。
味が落ちた店からは、潮が引くようにお客様が離れていきます。
お客様は本当に正直だと思います。
実は、お分かりになる方が、凄く多いような気もして、私は決して手が抜けません。
9月16日 かなり秋めいてきましたね…。
角丸の夏メニューも、今週一杯で終了しようかと思っています。(ころと冷麦)
●
先週土曜日より、日本一早い秋新蕎麦を扱っています。
北海道雨竜町産で、やはり夏新と秋新は違いますね、と思わせるお蕎麦です。
こちらも引き続き、50円高い設定ですが、よろしくお願いいたします。
7月26日 お盆休みのお知らせ
8月12日(木)は、営業しますが、売り切れの場合早終いしますので、ご了承ください。
13日より16日までお盆休みをいただき、17日(火)より平常どおり営業します。
よろしくお願いいたします。
7月24日 去年、みそ煮込みの変更点について書きました。
今年も、この一年くらいの改良点を書きます。
一番分かりやすいのは、かまぼこですね。
紅白のツートン・カラーのものを使ってきましたが、
赤い部分の着色を気にされる方が増えてきました。
あの細い部分だけを奇麗に食べ残す人もいらっしゃいました。
着色料については、かまぼこ屋さんとも話し合い、
口紅よりも人体に影響のないようなものを採用していたのですが、
今時の時流にも合わないということで、焼きかまぼこに変更しました。
変えた当初は、なんだか物足らなく思っていましたが、もう慣れました。
雑誌などには、前の写真が使われている場合がありますが、
基本的に角丸は、焼きかまぼこを使っていきます。
だしも若干の変化がありました。
角丸では、非常に高価な本鰹をブレンドしていますが、
昨今の鰹相場の高騰が激しく、ブレンド比率を見直さざるを得なくなりました。
そこで、鯖節を若干加えたところ、非常にコクがでて、みそ煮込みとの相性が良かったので、
現在は本鰹も使いますが、鯖節も加えています。
小麦粉も、メインの粉は大定番ですので変わりませんが、
メインの「かもめ」のブレに対応するためのサブとして使っていた銘柄が廃盤になってしまいました。
気に入って使っていたのですが。
数種類の粉を試行錯誤した結果、また落ち着いてきています。
教科書どおりの「煮込みに合う粉」というのと、私の考える「煮込みに合う粉」とは
かなりの違いがあります。
私は私の感覚を信用して、粉を採用していきます。
わずかながら、少しずつ良くなるように、そして毎日のぶれ幅がより少なくなるように、
これからも研鑽していきたいと思います。
7月23日 先日、いろいろなブログ記事を拝見しました。
角丸について、いろいろな方が、いろいろな意見を書いていらっしゃいます。
幸い、好意的なものが大半でしたが、中には耳の痛いものもあり、
ごくわずかですが、悲しくなるようなひどいことをお書きの方もいらっしゃいます。
なんで、そんなひどいことを書かれなきゃならないんだろう。
そう思うと、悲しくなってしまいました。
ご批判は真摯に受け止めたいと思いますが、
すべてのお店が自分の思い通りになっていないと許せないかのような方もいらっしゃるようです。
お店はそれぞれの考えの下で経営されているものです。
私はお客様に、私の考える美味しいものをお出しする、これを最優先に考えています。
自分が食べたくなるもの、美味しいと思うものを、手抜きせず、こさえています。
それが気に入って下されば、また足を運んでもらえるし、そうでなければ、お客様は遠のくでしょう。
これまでずっとそうやってきました。
そのお店が気に入らなければ、行かなければいいのです。
悪意に満ちた、間違った記事を、インターネットに垂れ流す必要はないと思います。
私も今までに何度か、このページで批判的な文言を記したことがあります。
しかし、それは皆様に、本物のお蕎麦とは何かを知ってほしいから、記したものです。
そのお店の方だって、「痛いところを…」というのが本音だと思います。
分かってやっている店へのメッセージでした。
でも角丸はいい加減なごまかしをしていません。
愛想のいいわけでもない、居心地のいいわけでもない、そんな店が、
多くのお客様に愛されてきたことからもお分かりいただけると思います。
主観的なブログより、ろくに取材もしないマスコミの記事より、
如何に地域で愛されたお店であるかどうか。
それこそが私の誇りであり、店選びのポイントになるものと、私は考えています。
もしこのページをお読みの同業の方がいらっしゃいましたら、
悪意交じりの批判的なブログなど無視したほうがいいと思います。
いちいちそれに反応していたら、店のスタイルがぶれてぶれて、どうしようもなくなってしまいます。
店は主のスタイルが見られればそれでいい、私はそう思っています。
7月22日 名古屋は梅雨が明け、夏真っ盛りです。
こんな日は、冷たいものしか出ないかな、と思っていると、
意外にみそ煮込みを多くご注文いただいたりします。
暑気払いですかね。
●
以前お知らせしたように、今年は国内産の蕎麦の集荷量が少なく、
私の知る限り、国産蕎麦粉の流通が途絶えました。
角丸でも入梅とともに輸入物の蕎麦粉を使用してまいりました。
もちろん、それほど悪い蕎麦ではないのですが、
茹でた時、芯が残りやすいのと、劣化の早さに往生しました。
それでもどうにか特徴をつかみ、お蕎麦を召し上がっていただいてきましたが、
本日より、群馬産の夏新蕎麦が入荷しましたので、そちらをお出ししていきます。
この時期に新蕎麦です。
ひょっとしたらこの地方では一番早いんじゃないでしょうか?
私は全国麺業青年連合会の副会長を務める関係上、全国各地に広く
お付き合いがありますので、そのコネクションを最大限に活用して入手しました。
夏新ですので、秋新ほど味わいが深くはありませんが、
この端境期の輸入物よりも数段いい香りをお楽しみいただけます。
特筆すべきは新蕎麦らしい色合い。
緑かかった奇麗なお蕎麦をお出しできます。
蕎麦粉の仕入れ価格が倍ですので、ざるは50円増しでお願いいたします。
(本当はもう少しいただきたいのですが、このご時世ですので、最低限の割り増しにいたしました。)
夏の暑さに角丸の新蕎麦を、ぜひご賞味ください。
4月22日 ゴールデンウィークは、基本的に暦通りの営業となりますが、
5月6日(木)のみ、臨時休業させていただきますので、よろしくお願いいたします。
大変ご迷惑をお掛けしますことをお詫び申し上げます。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
4/25 定休日 | 26 営業 | 27 営業 | 28 営業 | 29 定休日 | 30 営業 | 5/1 営業 |
5/2 定休日 | 3 定休日 | 4 定休日 | 5 定休日 | 6 臨時休業日 | 7 営業 | 8営業 |
3月19日 そばの話を。
去年の秋、新蕎麦が出ましたが、あまりいい出来とはいえませんでした。
このところ、ずっとそうです。
出来栄えも、出来高もよくない。
(実は蕎麦粉屋さんも毎年そんなことを言っています。
我々もそうです。
でも、あまり正直すぎるのもどうかとも思います。
あの、ボジョレー・ヌーボーを見習って、
「これは食べなきゃ損だ」と思わせるほどのアピールを、
業界全体でしたほうがいいのかも知れません。
どうも我々の業界は正直な気がします。)
閑話休題。
そしてとうとう、去年の国産蕎麦の出来高は、平年の半分ほどに落ち込んでしまいました。
角丸では使いませんが、中国産も他の作物への転作が多く、
二年前の5分の1程度にまで出来高が落ちてしまっているそうです。
その結果、今年の秋の新蕎麦の季節まで、国産で乗り切ることが不可能な情勢です。
これは全国どこでも共通の問題です。
恐らく、梅雨まではもたないと思います。
数年前から、角丸では蕎麦粉の産地表示をしてまいりましたので、
今さら外国の地名を謳うのも嫌でしたが、無いものは仕方がありません。
外国産のテストを致しました。
その中で、アメリカとカナダの国境付近にある、ダン・マッケイさんの農場で栽培された
無農薬栽培の蕎麦粉が、非常に好感触をえることができました。
マンカン種という、国産よりも一回り大きな実がなる蕎麦で、
国産と比して、遜色ないものです。
当面は、粗挽きに関しては北海道産、丸抜きに関してはカナダ産を使っていくつもりです。
ぜひ、召し上がって、感想を伺えれば幸いに存じます。
3月18日 すっかり更新が途絶えてしまいました。
あまり書かない上に、ウイルス・セキュリティ・ソフトを入れ替えたら、
アップロードができなくなって往生していました。
やっとやり方がわかりましたので、今日からしばらく、頻繁に更新して行こうと思っています。
●
世間は大変な不況で、特に外食産業界の落ち込みがひどいようです。
この先景気が回復しても、外食産業界まで恩恵が回るのはずっと先のことでしょうから、
まだまだ苦しい状況が続くと思います。
そんな中、決して潤っているわけではありませんが、
角丸は前年比で、今年も僅かながら売上を延ばすことができました。
毎年微々たる数字ではありますが、ずっとプラス成長を続けてこられています。
これもひとえに、角丸を愛してくださるお客様のお陰と感謝し、
これからもお客様の期待と信頼を裏切らない店でありたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。
●
私はかねてから、「金のことは40になってから考える」と申してきました。
その40が、ついにやって参りました。
もちろん今までも、食べていくために一所懸命店をやってきたわけで、
お金のために商売をしているのですが、
損得勘定よりもスキル・アップを目指す気持ちが強くございました。
きっと40になる頃には、技術や味を求める道がそろそろ終着に近づき、
その技術や経験をうまく活用してお金を稼ぐことができるだろうと考えていました。
ですが、40になってあらためて、追求することには終わりが無いのだということを思います。
我々食べ物商売の店は、今お店にお越しくださったお客様に、
如何にして満足してもらうか、そして、もう一度来たいと思ってもらうか、
そのことだけを考え、必死にもがいていれば、
知らぬ間になんとかやっていけるのではないかとも思います。
客単価がどうの、回転がこうの、コストを抑えてどうの、
そんなことはもっともっと余裕のある人に任せておけばいいようにも思います。
私は40になっても、青臭く、勉強し続けたいと思います。
より美味しいものを提供できるよう、それを第一に考えて、足掻いていこうと思います。
きっと今までも、足掻き続けてきたからこそ、前年比微増を続けてこられたのだと思います。
少しずつ少しずつ信頼をしていただいて。
お客様に、心の底から満足してもらえるよう、まだまだやらなきゃいけないことはたくさんあります。
そのために楽をしないで。手間を買ってもらうつもりで。
その原点を、決して忘れないで店をやっていきたいと思います。
●
次はそばの話か、みそ煮込みの変更点について書きます。近々に。