バックナンバー2008


ひとり言へ戻る

バックナンバー
2001年

2002年


2003年

2004年

2005年


2006年

2007年


2009年

2010年

2011年


2月1日 「食の安全」の本当の意味
2月2日 「食の安全」の本当の意味・補足
2月21日 角丸の蕎麦は国産です
3月18日 価格改定のお願い
4月22日 ZIP-FM出演
4月30日 常陸蕎麦
5月29日 常陸蕎麦完売御礼
6月27日 越前蕎麦、食品偽装について
8月5日 お盆休みのお知らせ
10月18日 新蕎麦のご案内
10月28日 汚染米の流通について

10月28日 工業用の糊をつくるための、汚染された米が、食用に転売されるという、
       にわかに信じがたい話がありました。
       メタミドホスなどの化学物質や、カビに汚染された米です。
       私は、そういうものやルートが存在することすら知りませんでした。

       しかし、この問題は、米屋の体質と大きく関わっていると思います。
       以前から何度も書いているように、私は米屋と肉屋を、100%までは信用できません。
       今まで何度も裏切られた経験があるからです。
       見本、サンプルは素晴らしいが、取引開始から極端に品質が下がることなどざらです。

       米屋は基本的に混ぜ物商売です。
       質の劣ったものを、分からない程度に混ぜて量を水増しする、そういうことの多い業界です。
       汚染米をブレンドしたとは言いませんが、かなり品質の劣る米さえも、
       上手に売ってしまっているのではないかと、私は思います。

       角丸では、常に米屋は複数の業者と取引するようにしています。
       悪いものを納めたら最後、二度と取引しないという強いアピールをしています。
       本当に、米屋と肉屋には、厳しすぎるほど厳しくして、ちょうどいいくらいだと思います。
       (両者ともニュースで、「食の安全」を脅かす代表選手になってしまいましたね。)
       今のところ、現在取引している業者さんは、いつも安定したものを納めてくれています。

       我々は最前線でお客様と対峙しています。
       悪いものをおだしすれば、お客様は正直で、二度と足を運んでもらえません。
       だから私たちは、真剣にいいものをお出ししようと努力しています。
       信用ほど、得がたく、また失われやすいものもないからです。

       業者さんもいろいろで、意識の低い業者さんも、素晴らしい業者さんもいらっしゃいます。
       業者さんの力なくして、我々の商売は成り立ちません。
       だからこそ、我々は業者さんにも甘えを許さず、
       厳しく品質をチェックする必要がある、そう思っています。

       ●

       今回は、食の安全を脅かす問題を、業者の不正という視点から書きました。
       でも、実は不正にまで発展するケースは稀です。
       合法的に、我々の健康は損なわれているような気がしてならないのです。
       次回は、そういった話を書きます。
       消費者の行動にも、矛盾があります。


10月18日 私事ですが、先日、石垣島に行って参りました。
       八重山そばという、沖縄風中華そばのような麺をいただきました。
       以前から、あのそばは、太さといい食感といい、煮込み麺のようだと感じていましたので、
       石垣島でも変り種の、味噌風味の八重山そばの店を訪ねました。
       あの麺と、味噌が合わないはずがないと思ったからです。
       食べてみたところ…
       おいしくいただきましたが、私のイメージする味噌味とは違っていました。
       私なら、こういう感じで作るのになあ、と具体的なレシピまで考えてしまいました。
       角丸風八重山そば、当然お蔵入りですが、日の目を見ることはあるのでしょうか?
       (石垣島は本当に気に入ってしまったので、将来移住してお披露目?)

       ●

       長らく更新をサボっている間に、期間限定の蕎麦が終わってしまいました。
       常陸・越前に続いて、山形産の蕎麦を、以前と同様に丸抜きの石挽きにしたものを、
       外一(蕎麦粉10:小麦粉1)でお出ししていました。
       常陸・越前に比べて、色身では劣りますが、香り・風味・歯ざわり、すべて私好みの蕎麦でした。
       できれば山形の新蕎麦が出たときに、もう一度お出しできればと思っております。

       ●

       山形産と入れ替えのように、北海道幌加内産の粗挽き蕎麦の新が出ました。
       すっきりしゃっきりした喉越しが魅力のこの蕎麦は、正直、新とヒネとの差が出にくいのですが、
       やはり香りに違いが現われます。
       仄かな香りの仄かな差ではありますが、雑味のない味こそ新の特徴です。
       この時期ならではの味を、ぜひご賞味ください。

       ●

       ノートパソコンを購入し、東京での会議の行き帰りの道中に、このページに書く記事を
       書き溜めてきました。
       次回は、事故米の流通について書きます。
       本当に近々更新します。
  



8月5日 お盆休みのお知らせ

     8月13日より、17日までお盆休みをいただきます。
     8月12日は売切れ次第終了となりますので、夕方くらいには閉店の可能性があります。
     18日より通常営業に戻ります。

     よろしくお願い申し上げます。

6月27日 すっかり月イチ更新になってしまっていますね…
       いかんなあ…

       ●

       6月頭から、夏メニュー始めております。
       ささめ、手打ひやむぎ、ころ、などです。
       8月いっぱいくらいを目安に楽しめる、夏ならではの角丸の夏メニューをお試しください。

       また、今週水曜日より、期間限定そばの第二弾として、
       福井県花咲地方の蕎麦をお出ししています。
       福井では丸岡が産地として有名ですが、丸岡を含む、その地域からの入荷です。
       (下手に丸岡と限定してしまうと、産地偽装になりかねませんので、慎重に花咲地方と表記します。)
       普通、越前蕎麦というと、黒っぽくて太い蕎麦を思い浮かべる方が多いと思います。
       越前おろし蕎麦のような感じですね。
       あれは、あの地方では、鬼皮のついたまま、挽き込むことが多く、
       所謂挽きぐるみを使うことが多いので、あのような蕎麦になるのですが、
       今回角丸でお出しするのは、鬼皮を完全に取り除いた丸抜きを挽いたものを使用します。
       前回の常陸蕎麦と、蕎麦の品種や産地は違いますが、
       製粉方法が同じで、10:1の外一という打ち方も同じなので、
       前回の常陸蕎麦とほとんど同じと考えていただいてよろしいかと存じます。
       香りのしっかりした蕎麦です。
       これも期間限定です。ぜひお試しください。

       ●

       相変わらず、食品の偽装が取り沙汰されています。
       飛騨牛、うなぎ、などなど…。
       ため息をつきたくなる心境です。
       私は昔から、肉屋と米屋は信用しないという経験則を持っていますので、
       (これは私の個人的な経験則です。まじめな肉屋さんや米屋さんには失礼を申し上げます。
       是非一度、憤慨される肉屋さんや米屋さんは、営業にお越しください。ただし、私は厳しいです。)
       さほど驚きはしませんが、こう毎日そういうニュースを見せられると、いやになってしまいます。

       私は、この商売で、これから先ずっと食べていかなければなりません。
       幸い、お客様にご評価いただいたいる自負がありますので、
       今の仕事を続けていれば、少なくともあと5年や10年は、
       食うに困るほどのことはないように思っています。
       ですが、万が一、お客様を裏切るようなことをしたら、どうなるか。
       だから私は、食中毒が怖い。味の落ちたものを出すのが怖い。
       いい加減な表示をするのが怖い。
       この世に、「信用」ほど得がたく、また失いやすいものもありません。
       せっかく築いた角丸の「信用」を、裏切るような行為は、
       私には、怖くて怖くて、とてもできません。
       あのテレビ・ニュースに出ていらっしゃる方々は、勇気があるのだなあと感心してしまいます。
       (もちろん皮肉です。)

       ついでに申し上げるなら、
       いつ、大手外食企業が近所にできるか、
       いつ、角丸の今の味が飽きられてしまうか、
       私は実は大変な恐怖と闘っています。
       しかし、それに打ち勝つには、お客様に満足していただく商品をお出しするしかない、
       それを磨き上げていくしかないと、必死にやっています。
       大手に負けないために、大手にできないことをしよう。
       常に今より上の味を目指すことで、決して相対的な評価も下がらないようにしよう。
       恐怖や危機感が、角丸を前進させてくれます。
       前進していないと、私は不安で仕方ないのです。


5月29日 私どもの予想を超えて、好評をいただいた常陸蕎麦ですが、
      若干の追加分も底をつき、とうとう明日、完売終了となります。(明日は少量しかありません。)
      ありがとうございました。
      香りや風味は、あれが最高だろうと思える蕎麦でした。
      これ以上匂いのきついものは、蕎麦本来の香りではなく、
      不純物の匂いである場合が多いです。
      蕎麦の丸抜きをかじると、ふわりとした仄かな香りが漂います。
      蕎麦の香りとは、仄かなもので、今回の常陸蕎麦は、かなり香りの活きた蕎麦でした。
      角丸の定番の幌加内蕎麦は、敢えて香りを殺しています。
      香りの元は、甘皮と呼ばれる部分に多いのですが、
      この部分を多く挽き込むと、蕎麦に粘りが出てしまいます。
      角丸定番は、粘りを出さず、涼やかな歯応えと喉越しを信条にしています。
      喉を通り抜ける時、喉をかっぱじくような蕎麦。そういう蕎麦をイメージしています。

      実の質自体を比較すると、常陸蕎麦に軍配が上がるような気がします。
      では、常陸蕎麦を角丸定番のようにざっと粗引きにしたらどうなるか?
      興味を引かれるところではありますが、あれだけの良質の蕎麦ならば、
      風味を活かす並粉に挽いて、つなぎを極力減らした打ち方で賞味するのが正解だと思います。
      小細工は、あれだけの蕎麦に失礼な気が致します。

      今回の好評を受け、早速第二弾の選定に取り掛かっています。
      福井県や栃木県からも、非常に香りの良い蕎麦が入りそうです。
      週が明けたら、サンプルが届くはずですので、
      いいものができそうなら、また皆様にお出しできると思います。
      その節は、またご贔屓ください。

      常陸蕎麦も、新蕎麦の時期に、もう一度仕入れようと思っています。
      私自身が、あの蕎麦の新蕎麦に興味津々なのです。

      ●

      大阪では、老舗料亭が相次ぐ不正発覚の末に廃業しました。
      私どももこれを他山の石と捉え、決して老舗の名前に胡坐をかくことの無いよう、
      安心・安全で手を抜かない商品を、お出しし続けたいと思います。
      私から麺を取り上げたら、ろくなものではないですから。



4月30日 優れた蕎麦粉が入荷しましたので、本日から店でお出ししています。
      私は、全国麺業青年連合会の副会長を務めているのですが、
      その縁で、茨城県常陸太田(ひたちおおた)産の蕎麦粉を入手できました。
      常陸太田というと、知る人ぞ知る蕎麦の名産地です。
      「金砂郷(かなさごう)」と言ったほうが通りがいいかも知れません。
      私はこれまで、ずっと北海道幌加内産を使っていましたが、
      この常陸の蕎麦もかなりのものです。

      今回入荷の蕎麦と、今までの角丸定番の蕎麦と比べてみましょう。
      角丸の定番は、産地が北海道幌加内、蕎麦粉8に小麦粉2の二八蕎麦をお出ししています。
      常陸蕎麦は、産地が茨城県常陸太田、蕎麦粉10に小麦粉1の、外一蕎麦でお出しします。
      角丸定番は、鬼皮をつけたままの引きぐるみを、ざっと石臼で粗引きにし、
      篩をかけたものを使用しています。そのため、仕上がりは透明感があり、
      その中にぽつぽつと鬼皮が入る蕎麦になります。
      香りは仄かで、歯切れの良さが売りの蕎麦です。
      粘りが少ないので、二八より蕎麦粉を増やすと、商売としてはつらいものがあります。
      対して、常陸蕎麦は、鬼皮を剥いた丸抜きを使用し、
      甘皮も一緒にざっくりと挽き込んでいます。
      そのため、緑かかった色味と、蕎麦本来の風味が強く感じられる蕎麦です。
      粘りは多く、苦も無く10割が打てますが、敢えて外一でお出しします。
      どちらが美味しいかは、正直、好みです。
      私は歯ざわり重視派ですので、角丸の定番を常陸蕎麦にしようとまでは思いませんが、
      蕎麦の風味がしっかり感じられて、甘味もある、この蕎麦も非常に気に入っています。

      仕入れ値が高いので、並盛750円、大盛850円にて承ります。
      それでも、金砂郷のこれだけの品質の蕎麦を、外一で、これだけの量で、
      この値段でお出ししているお店は、全国でもそうはないと思います。
      お値打ちだと、自負しています。

      食べ比べしたい方のために、幌加内と常陸の合い盛りも承ります。
      大盛のみで、950円頂戴します。
      ぜひ一度、お試しください。

      あ、言い忘れていました。期間限定です。
      5月中旬ごろまでだと思います。
      お早めにどうぞ。



4月22日 毎度ながら、更新が空いて申し訳ありません。

      ちょっとした縁がありまして、ラジオ番組に出演しました。
      ZIP−FM(77.8MHz)のこの春からの新番組、『R18 Radio Eighteen』という番組です。
      その番組内で、その道のプロにインタヴューするというコーナーがあり、
      そこに出させていただきました。
      何しろ、前回のゲストが芥川賞作家さんだそうですから、
      私などが出ていいものかとも思いましたが、
      チーフ・ディレクターさんは角丸の常連でいらっしゃっいます縁で、
      厚かましくお邪魔してまいりました。
      緊張しながら収録しましたが、後から、もうちょっと気の利いたことを言えばよかったのになあ、
      と思っていました。
      オンエアは明日23日と24日、21〜24時の間の5分間くらいです。
      もし良かったら、聴いてみてください。感想などをお寄せいただけると、なお嬉しいです。

      今日は告知まで。
      近いうち、また書きます。

      
      すいません、これを書き込んだとき、重要な間違いがありました。
      オンエア日を間違えておりました。上記は訂正されています。
      すいませんでした。

3月18日 本日より、店内に価格改定のお願いの紙を貼りました。
       以下に全文を記します。

 角丸は、毎日のようにお越し下さるお客様のことを考え、
ずっと値上げを自重して参りました。
 平成元年消費税導入の時も、平成9年消費税が5%に上が
った時も、角丸は値上げを致しませんでした。実に27年以上、
みそ煮込みの売値が変わっていません。
 ここ数年来の原材料の高騰も、何とかしのいで参りましたが、
小麦、大豆、油、生鮮食品は、予想を貼るかに超えた上昇を
続けております。
 心苦しいことではございますが、4月1日より、一部商品の
価格を改定いたします。
 これまで通りの角丸の味、量、そして安全を堅持するための、
苦渋の決断です。
 何卒、諸般の事情をご賢察の上、ご理解賜りますよう、お願い
申し上げます。

       今はどこもかしこもそうでしょうが、値上げのお願いです。
       原材料や物価がどんどん上がる中、所得が伸び悩む現状では、
       決して値上げしたくなかったのですが、正直、限界です。
       大手企業なら、「企業努力も限界」と言うところでしょうが、
       企業努力ってナンなのか、私にはよく分かりません。
       逆に、これ以上、現在の売値を保つなら、安価な材料を使ったり、
       質を落としたり、量をこっそり減らしたり、
       そういう姑息な「企業努力」をしなければならなくなってしまいます。
       私はそんな努力などしたくない。
       これからも、できる限りおいしく、なるべくお腹いっぱいに、安心して召し上がっていただけるものを
       お出ししていきたい。
       そのための値上げです。ご理解ください。

       具体的には、みそ煮込みを50円上げる予定です。
       また、今まで原価から見て明らかに安すぎる、かしわ入り、天ぷら入り、ホタテ入り、牡蠣入りを
       ある程度原価を反映した価格にさせていただきます。
       小ライスは据え置きますが、並ライスと大盛ライスを上げます。
       これは、もともとたくさん召し上がる方に負担が少ないよう、
       量と比例しない価格をつけていたのですが、
       最近はグループで分けてお召しになるお客様が増えまして、
       お一人ずつライスをとっていただいているお客様と不公平感が強いため、
       並ライスを200円に、大盛ライスを250円に致します。
       中華とカレー中華も50円ずつ値上げいたします。
       その他のメニューに関しましては、ここでは割愛いたします。

       それでも、角丸は家賃が要らず、オーナー自らが店頭に立つスタイルなので、
       その分、充分にコストカットできていて、お値打ちにお出しできていると自負しています。
       正直言えば、もっと上げたかった。
       消費税導入前から比べれば、既に5%値引きしているようなものですから、
       650円を682円にしたところが、スタートと考えると、原材料の上がり幅には、到底対応できているとは
       言えませんが、これ以上の値上げは、角丸の意地が許さない。
       大衆食としてのうどんを、手抜きせず、という角丸のポリシーが許しませんでした。
       何卒、ご理解下さいますよう、お願い申し上げます。




       

2月21日 相変わらず、中国製品のバッシングが激しいようですが…。

       確かに、中国製品にはひどいものが多いことは事実です。
       国産のほうが、信用できることが多いのも事実です。
       ただ、中国製品のすべてが駄目かというと、そうではありません。
       国産でもひどいものはいくらでもあります。
       考えれば当たり前のことですが、どうも報道や風潮は極端に向かっているような気がします。
       その商品を看板だけで判断するのでなく、常に吟味して判断すること。
       ずっと私がこのページで書き続けてきたことです。

       テレビでも眼にしましたし、週刊誌でも読みましたが、こんな報道があります。
       曰く、「蕎麦はほとんどが中国産で、一部高級店にしか国産品は回っていない」。
       実際、全需要のうち、国産は2割程度しか供給できませんから、
       確かにそういうことは言えるでしょう。
       数年前まで、角丸でも中国産を使用したことがあります。
       ただ、ある時期から、極端に質が低下して、製粉会社さんとやり取りした結果、
       北米産に切り替え、現在は高価ではありますが、国産の蕎麦粉を使っています。
       (北海道幌加内産です。)
       製粉会社さんが、売値に驚いています。3桁で売るのは常識外だそうです。
       それでも、私は質のいいものをお出ししたい。
       一部高級店ではありませんが、気張っている店もあることを、
       ぜひ皆様にご承知いただきたいのです。

       角丸でお出しするものは、私が責任持って吟味したものだけを使っています。
       売値が安いからと言って、安い粗悪なものを仕入れているわけではありません。
       高級な値段を取る店に負けないものを使って、手をかけて、おいしいものをこしらえる。
       それをなるべく手軽に食べていただく、これが角丸のポリシーです。
       (昨今の値上げ攻勢には悲鳴を上げています。今春には値上げを余儀なくされそうですが、
       なるべくご負担の少ないようにと、頭を悩ませています。)



2月2日 昨日書いたことに、若干補足説明します。
      いつだったか、15時に名古屋駅で麺類組合の定例理事会に出なければならなかったのですが、
      非常に店が忙しく、お昼ご飯を食べる時間が無かった時がありました。
      あわてて着替えて、名古屋駅に着き、某ハンバーガーチェーン店に入りました。
      そこで、当時新商品の、豚肉を使ったハンバーガーとホットコーヒーを注文し、
      会計しようとしたら、レジの子に「200円です」と言われ、安さにびっくりしてしまいました。
      普段、外でランチを食べる機会のまったくない私ですから、最初は驚き、
      次に随分感心して、こういう安くつく店もあるのだなあ、
      懐の寂しい月に、これでしのぐのもありだよなあ、などと思っておりました。
      ところが、ふと、このハンバーガーを100円で売って、原価はいくらだろう?と考えた時、
      いったい何を食べさせられているのだろう、と薄ら寒い思いを致しました。

      もちろん、売値が高ければいいというわけではありません。
      ですが、食べ物はいずれ我が身になるものですから、あまり変なものを食べさせられるのも困ります。

      自分にとって、何を食べて暮らすのが最善なのか。
      その優先順位をはっきりさせないと、「食の安全」はただのお題目になってしまいます。
      せっかくマスコミが大きく取り上げて、国民の関心が高まっている今だからこそ、
      きちんと「食の安全」について考えていただきたいと思うのです。

      ●

      このところ、マスコミ(特にテレビ)の取材の質が、一段と悪くなっているように感じます。
      今度はそんな話を書いてみます。


2月1日 ありゃ、新年ご挨拶もまだでしたね…
      更新がなかなか進まず、申し訳ありません。
      正直、忙しくなって、更新に割く時間がとりづらくなってきたので、
      (それにすこしばかり嫌なこともあったので)
      このページを閉鎖してしまおうかとも考えていました。
      しかし、色々な方から(本当に思いもしないような方からも)見ているよ、
      最近更新してないね、とお言葉をいただき、力をいただきました。
      また、昨今の食の安全を脅かす状況から、
      湖をひっくり返す事はできなくても、湖面に石を投げ入れることくらいはできるかもしれない、
      小さな小さな波紋でも、私なりの波を発信する事ができるかもしれない、との思いから、
      今年も緩やかながら、このページにひとり言を綴ってまいりたいと思います。
      お付き合いくだされば幸いです。

      ●

      今、タイムリーな話題と言えば、中国産毒入りギョーザですね。
      連日、新聞もテレビもトップで大きく取り上げています。
      普通に暮らしているなかで、たまたま食べたおかずのせいで、
      意識不明の重体になった子供までいるという、恐ろしいことですね。

      今回に関しては、はっきりしたことが分からない段階ですので、コメントは控えます。
      確かに中国産の食材には、信頼に欠けるものが少なくありませんが、
      今回の事件は残留農薬と言うレヴェルを超えています。
      毒物混入、というレヴェルですので、冷静に状況を見て行きたいと思います。

      ただ、今回私が思うことは、せっかくこうして食の安全を考える機会があったのだから、
      いったい食の安全とは何なのか、ちゃんと考えていただきたいということです。
      ただ中国産のものを回収して、バッシングすればよくなる問題ではないと思います。
      もっと本質的に、我々が考えるべき問題があるのではないでしょうか。

      ファミリーレストランの大手チェーンが、中国産の食材の撤廃を決めたとのニュースを受け、
      テレビのインタビューで、「子供には安全なものを食べさせたいから…」とそのチェーン店に
      入っていった家族がいましたが、それは正しいのでしょうか。
      農薬も添加物も、基準値を下回ればいいのでしょうか。
      COOPの信頼が損ねられたからと、コンビニで食材を買えばいいのでしょうか。

      コンビニのおにぎりは、油の味がするので、私は好きではありません。
      油を添加しています。明らかに。(少なくとも私が今まで食べたものは例外なく)
      何日か放置してみてください。カビも生えないし、腐りもしません。
      こんな食べ物が安全なのか。

      もちろん、安全なものだけを食べて暮らすのも困難です。
      それこそ不自由で、ストレスが多い。ストレスで健康を害しては、元も子もありません。
      例えば、一日や二日ジョギングをしたからと言って、急に体力がつくものではないようなもので、
      たまにジャンク・フードを食べたからと言って、途端に健康を損なうものでもないと、私は思います。
      (今回の毒入りギョーザはあくまで例外です。)
      だから、上手に付き合えばいい。
      便利(コンビニエンス)な食べ物だ、と思えばいいのです。どうしようもないときに助けになります。
      ただ、どんなに衛生的であろうと、どんなに賞味期限を守ろうと(賞味期限に関してはまた書きます)、
      決して安全な食べ物ではない、とご理解いただきたいのです。
      大手チェーンの食材も似たようなものです。
      そんな状況だから、普段食べる、毎日の食事には気をつけたほうがいいと思います。
      ランチを毎日コンビニで済ますのは、値段が安くて手軽かも知れませんが、
      健康を切売りしているということになるのかも知れません。

      結局、「食べる」ということを、大きなビジネスモデルにすることに無理があるのだと私は思います。
      どうしても、効率主義、経済優先の理念が先行しがちです。
      小さなキャパで、その日に売れるものを、しっかり作ってお出しするやり方でないと、
      本当の意味での食の安全は守られにくいと私は思います。
      (小さな店だって、業務用冷凍食材を多用する店は大手チェーンと同じことです)

      ●

      角丸は2008年も、手間をかけ、おいしく、そして何より、自分が食べたいものを、
      自分の家族に食べさせたいものを、お客様にお出しして行こうと思います。
      年頭からきついことを書いて、申し訳なく思いますが、
      このご時世だからこそ、なお一層引き締めて参りたいと、強く思います。

      本年もよろしくお願いいたします。